大切な先生
『えっと…舞原美羽です。女子バレー部です。……』
たったこれだけを言うことが
こんなにも恥ずかしくて
先生と目が合うだけで
普段はしゃきしゃきと
喋れるあたしが
ちっちゃな声でしか
言うことができなかったんだ。
『おしっ!ありがとう。じゃあ次は…』
『ふぅ〜』
「ねぇ美羽!あの先生美羽のときだけずっと美羽のこと見てたよ!何かあったの?」
『咲が思ってるようなことは何もなかったよ(笑)考えすぎだって…』
ほんとは先生が
ずっとあたしを見てることに
気がついてたんだ。
他の子のときは
次の子の名前を
こっそり名簿で確認してたね。
あたしの時は
出席簿も閉じちゃってて
あたしが言うたびに
うなずいて聞いてくれてたね。
あの頃からあたしは
先生の特別だったのかな
なんて今思っちゃったりするんだ…
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