放課後の体育館
ギャラリーに戻ってから、広いところで顧問の話があった。
三年生は泣いていた。
二年生も、涙ぐんでいた。
俺の隣にならんだ大量の荷物をを抱えたマネージャーは、手で涙を拭うこともできず、必死に泣くのを耐えていた。
しかし、マネージャーの涙は抱えているジャージやタオルにはらはらと落ちていた。
間近で顔を見て気づいた。
この人化粧してないんだ。
まつげが長いからか、遠くから見ると化粧をしているように見えた。
俺は顧問の話を聞きながら、こんなことをぼんやりと考えていた。
顧問の話が終わり、部長の最後のあいさつも終わった。
自分たちのエナメルを置いてる場所まで戻るとき、俺はマネージャーの荷物を半分取った。
「いいよ、重いから持ってくよ!!」
マネージャーは泣いているのに強く言ってきた。
きっとこの人は、試合に出ていない選手でも、負担をかけさせたくないんだろう。
だから、こんなにムキになっているんだ。
「俺、試合出てないからこんぐらいさせてください。」
そういうと、マネージャーは静かになって俺の後ろを着いてきた。