契りの歌



そんな風に私が思い耽っていると、突然声がした。








───かのん。






頭の中に直接話しかけてくるようなとても優しい声。






「だれ??」








───私はここよ。







ドコ??




辺りを見回しても人の気配は感じられない。







───ここよ。あなたの目の前。






目の前??


それって、



「桜…?」





いつの間にか、考えていた事が小さな呟きとなって声にでていた。







───そう。私はこの桜の精。







*
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