契りの歌
───それはね…
ふふっ。秘密よ。
あなたがここに来てくれるなら、いつか必ず会えるわ。
楽しそうな彼女の声に、いくら聞いても教えてはくれないだろうと思って、いつか会える日を待つことにした。
「ねぇ。ところであなたの名前は??」
───私に名前はないの。
「ない?じゃぁなんて呼んだらいいの??」
───あなたの好きなように。
名前ね…‥
考えながら花音は桜の幹に触れた。
空から桜の花びらが降ってくるようでとても綺麗。
やっぱり名前は…
「さくら。」
*