契りの歌
この時代であなた達の支えになれることは、今の私にとって一番の幸せだとおもったから。
必要とされることは、こんなにも嬉しいことなんだと知った。
支えになれと言われたことは、まだ話せていない。
話してしまえば、こんな怪しい女にそんなことを言われれば、彼等のプライドを傷つけて、ここには居られなくなってしまうかもしれないから。
それだけは、絶対にいや。
「そうか。君は苦労をしてきたんだね。
その小さな背中で辛いことを1人で背負ってきたんだろ?
これからは、我々を頼ってくれて構わないから。」
近藤さんは今までの花音を労るように、一つ一つ言葉を紡いでいった。
その言葉が、少なからず不安を抱いていた花音の心を軽くした。
「有難うございます。」
「近藤さん。こいつをここに置くのか?」
*