契りの歌
「いやっ…いきなりだけどさ。何か、これから一緒に暮らすのに、距離感があってやだなあって。
ついでに、敬語もなしで!」
なしで!…
って言われても、一応年上の人だし。
「なっ?お願い花音。」
って、そんな捨てられた子犬みたいな目されると断れない。
はぁ…。
「…分かりまし、分かった。平助。」
「ぃよっしゃ。ありがとな、花音っ!」
そんなに喜ばれると、なんか照れる。
「おいおい、平助。抜け駆けか?」
「うるさいなあ、新ぱっつぁん。もういいから、行くよっ!
お休み花音。」
「あっおい!
お休み花音っ!」
からかわれた平助は、永倉さんの腕を引っ張って行ってしまった。
「お休みなさい。」
*