契りの歌




「いやっ…いきなりだけどさ。何か、これから一緒に暮らすのに、距離感があってやだなあって。
ついでに、敬語もなしで!」




なしで!…
って言われても、一応年上の人だし。





「なっ?お願い花音。」





って、そんな捨てられた子犬みたいな目されると断れない。





はぁ…。





「…分かりまし、分かった。平助。」



「ぃよっしゃ。ありがとな、花音っ!」




そんなに喜ばれると、なんか照れる。





「おいおい、平助。抜け駆けか?」




「うるさいなあ、新ぱっつぁん。もういいから、行くよっ!
お休み花音。」



「あっおい!
お休み花音っ!」




からかわれた平助は、永倉さんの腕を引っ張って行ってしまった。




「お休みなさい。」





*
< 65 / 190 >

この作品をシェア

pagetop