契りの歌
「ふふっ。
私ね、そこが嫌いだったわけじゃないの。むしろその逆、好きだった。お父さんとお母さんがいた頃は。
でも、色々あって両親も友達もいなくなって…
そんな時、私はこの時代に来たの。
さくらには感謝してるんだ。この時代に来れたことも、彼らに出会えたことも。」
「此処に来てからまだ2日くらいしか居ないんだけどね、彼らと一緒にいると心が温かくなってくる気がするの。
彼らのためになら頑張ろうってなれると思う。
私ね、彼らとならありのままの、昔の私で居られると思うんだ。
何でだろうね…」
「ごめんね。長話聞いてもらって。ありがとう。
早くお家へ帰ってお休み。」
そう言うと子猫は起き上がり、伸びをして花音の膝を飛び降りた。
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