契りの歌




「わざわざ、すみませんでした。」



「いえ。そんなことないです。

…あの、この本って全部山南さんが?」




ちょっと気になったことを聞いてみた。


すると山南さんは、照れくささを隠すように笑って答えた。




「散らかってて、お恥ずかしいんですけどね。
私は本を読むのが好きで、気がついたらこんなになってました。」



「そうなんですか…。」





本が好きな山南さんなら、
もしかしたら字、教えてくれるかな…。





「あの…。」





*
< 82 / 190 >

この作品をシェア

pagetop