新時代神話
ところ変わり、

空き教室、A


ガラッ、

風牙は教室を一つずつ調べ、やっと爆弾のある教室を見つけた。

「遅かったね、風牙。」


そこにいたのは、かつての風牙の友だった。

「貴様、何故、ここに?」

風牙の呼吸は乱れ始める。


「何故?

簡単よ。私は貴方の敵だから。

といっても、彼らの仲間にはなれない。

私は弱いからね。私に与えられたのは新たな名前。

ドール。

人形って意味。だけど、死ぬよりも人形って言われても生きる方が良いわ。」


「…哀れな奴だな。

私は自分自身が悔しいな。」

「私に裏切られた事が?」

「いや、貴様のような奴を一時でも、あの者達と同じ位置に置いてしまった自分が悔しい。」

「何?はっきり言いなさいよ。」

「貴様を我が友として、幸大達と同じ位置で見てしまった。

それは、幸大達、我が友を自分自身が侮辱したのと同じだ。

そんな私が悔しい。そう言ったのだ。」


「私を見下す気?」

「それは何だ?」

ドールが持つスイッチを見据える。


「爆弾の起爆スイッチよ。

怖くて動けないでしょ…」


ヒュッ、

刀を鞘に入れたまま、鞘でドールの持っていたスイッチを入れた。
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