How to win the Game
プロローグ
大学への道のりに吹く冷たい風の中に、どこか優しいぬくもりがあった。


もう4月も近い。


そして、私は、あと1週間もしないうちに、このキャンパスに来なくなる。


それは、あの人に、もう会えなくなることを意味する。






春の風は、どこかあの人に似ている。





冬の冷たさで、当たる人に寒さを与えるのに、


どこか春のぬくもりを含んでいて、


不意に、春の存在を確かめるかのように、振り向きたくなる。





そんな春の風に、私は捉えられてしまった。






着慣れない袴は重く、


ブーツを履く足は重い。






春は、別れの季節。


この春の風と共に、


私の悲しみも、一緒に連れ去ってくれれば良い。








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