kiss☆して? ダーリン☆
「へ? 普通に」
「あ゛? 警備員が通してくれると思うか?」
「うん!」
買い物に行くって言ったら、通してくれるでしょ?
後ろから大きなため息が聞こえた。
その瞬間、腕を引っ張られ、アタシは後ろに倒れるハメに。
「え? て? わっ…」
ガシッ
肩を掴まれ顔を上げると、異常に近い綺麗な颯太の顔があった。
そんな颯太に、アタシの体温は急上昇。
「こういう時は、こうすりゃあいんだよ」
そう言った直人は、いきなりアタシを抱えて走り出した。
ってか速い!
速い、速い!!!
アタシは必至に、颯太の服を握った。
なに?
この速さっ!!!
過ぎて行く景色が、まるでグシャグシャに描かれた絵みたい。
口の中に空気が入って来て、苦しい。
颯太さん…
貴方、何者ですか…?
マジ、陸上選手イケるんじゃない?
アタシは一人、そう思っていた。