kiss☆して? ダーリン☆




空気が、変わった。
一瞬で。

「あっ、アタシはただっ…」

目を泳がす女。

「……失せろ」

女に目も暮れず、颯太は冷たく言い放った。
女達は体を震わせ、逃げて行った。

「……そう、た…」
小さく呼ぶと、颯太は面倒臭そうに、アタシに手を差し伸べた。


「……ほら」

そんな颯太に顔が緩む。
手を重ねると、ゆっくりと颯太が引きあげてくれた。

なんだかんだ言って、優しいじゃん。

見直したぞ。
颯太。

アタシが感謝を言おうとした時…
「…ありが――「どん臭いんだよ、お前」」

颯太からの毒舌が飛びまわった。

ピッシャ――ンっ!

「ななな、なんですとっ…?!!」

見直したアタシがバカだった。

どん臭い…?!!!
ふっざけるなぁ!!!




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