kiss☆して? ダーリン☆
「だだだっ、誰のせいでこんな風にケガしたと思ってんだ! バカ野郎!!」
アタシは繋いでくれた颯太の手を振り払って、大きい声で叫んだ。
「何? 助けてやったのに感謝の気持ちもナシ?」
「んだとぉ―――っ?!!」
助けて貰ったのは確かに感謝するっ!
だけどな!
ああやって囲まれたのも、颯太関係なんだよっ!!
アタシはキっと颯太を睨んだ。
でも何故か、鼻の奥がツ―ンとなって、目頭が熱くなってくる。
助けて貰って嬉しかったのにっ!
なんでアタシと颯太は、喧嘩ばっかりなんだろう。
まるで溶けそうで、溶けない、水と油みたい。
アタシは必至に唇を噛んだ。
涙を堪える為。
すると、だんだんと近づいてくる颯太。
ボヤけてるから、表情は見えないけど――
「ごめんな。ケガさせちまって」
優しい声で、低い声で、甘い声で、
アタシに言い放った。
「ヤッ…」
そして、ゆっくりと大きな手が膝に触れ、アタシは敏感に反応した。