kiss☆して? ダーリン☆




驚いて、涙なんか引っ込んでしまった。

「痛いか…?」
「う、ううん!」
「バカ。痛いクセに…」
「ば、バカって…」

き、緊張する…。

いらない!
こんな緊張!
消えちゃえっ!!!

だけどそんな願いも虚しく、勿論消えないワケで…。

「後で、傷テープ買って行こう。行くぞ」
そう言って、手を差し出して来た颯太。
少し顔が赤くて、なんかニヤけてしまった。

「何ニヤけてんだよ…」
「だって、颯太が優しんだもん!」
「…なんだソレ」

そう言いながら、優しい顔をする颯太は、やっぱ優しいんだ、と実感させた。




「たっだいまぁ〰〰〰!!」
「あ! お帰りぃ!! 早かったね!」
「お帰り。…ケガ?」

……優輝、気付くの早いね。
尊敬するよ。優輝。

「あぁ゛―――! ホントだぁ! まさか颯太っ!!」
「は? チゲぇよ」

…まあ、貴方関係ですけどね。
アタシは苦笑いをした。




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