kiss☆して? ダーリン☆
女達は体を震わせ、逃げて行った。
「……そう、た…」
俺の名前を呼ぶ小さい声。
蹲ってるせいか、より小さく思えた。
俺は無償に抱きしめたくなったけど、理性を保って手を差し伸べた。
「……ほら」
そんな俺を見てニヤけてるアイツ。
手が重なると、ゆっくりと引きあげた。
こんなの、優輝と翔が見たら、気持ち悪って思うだろーな。
俺の柄じゃねえし。
でも、いきなり居なくならないで欲しい。
超困るんだけど。
「…ありが――「どん臭いんだよ、お前」」
俺はまた、喧嘩を売っていた。
「ななな、なんですとっ…?!!」
それに反応するアイツ。
目が大きくなって、ウケル。
「だだだっ、誰のせいでこんな風にケガしたと思ってんだ! バカ野郎!!」
……怒鳴って来た。
それも、繋いでいた手振りほどかれたし。
なんか胸が一瞬痛くなったのを感じたけど…なんだろ、な…。
でも、アイツに言い返されたまま気が済むワケがない。