kiss☆して? ダーリン☆




女達は体を震わせ、逃げて行った。

「……そう、た…」
俺の名前を呼ぶ小さい声。
蹲ってるせいか、より小さく思えた。

俺は無償に抱きしめたくなったけど、理性を保って手を差し伸べた。


「……ほら」

そんな俺を見てニヤけてるアイツ。
手が重なると、ゆっくりと引きあげた。

こんなの、優輝と翔が見たら、気持ち悪って思うだろーな。

俺の柄じゃねえし。


でも、いきなり居なくならないで欲しい。
超困るんだけど。

「…ありが――「どん臭いんだよ、お前」」

俺はまた、喧嘩を売っていた。


「ななな、なんですとっ…?!!」
それに反応するアイツ。

目が大きくなって、ウケル。


「だだだっ、誰のせいでこんな風にケガしたと思ってんだ! バカ野郎!!」

……怒鳴って来た。

それも、繋いでいた手振りほどかれたし。

なんか胸が一瞬痛くなったのを感じたけど…なんだろ、な…。


でも、アイツに言い返されたまま気が済むワケがない。





< 64 / 88 >

この作品をシェア

pagetop