kiss☆して? ダーリン☆
ピ―――っ!
試合開始の笛の音。
「沙希!」
「え…?」
アタシ今、試合中なんだけど。
そう思いながら、振り返ると翔が“来て”と手を振ってる。
アタシは翔の元に駆けた。
「沙希…大丈夫? なんか変だよ?」
「え?」
「…何か凄く痩せてない?」
「・・・」
優輝は痛い所突くね…。
「……オメぇ」
「沙希ぃ―――っ!!」
颯太がなにか言いたそうだけど、呼ばれた為、
「ごめん、アタシ今試合中!」
啓の元に戻った。
「大丈夫か…?」
「う、うん! へーきへーき」
アタシは微笑んで、啓の背中を押した。
「……分かった。無理すんなよ?」
そう言い、アタシの頭を撫でて、眩しい笑みを見せる啓。
「ありがと」
アタシは微笑んで、啓が走って行くのを見た。