キミがいなかったらこんなに恋い願うこともなかったよ。
重いものが降り懸かったせいで痛い首をさすっていると、なぜだか外が騒がしかった。

梓ー! 死んでるかー?

死んでたら返事出来ないでしょうが! ・・・でも凄い音だったし心配だね・・・

多分、物を落とした音が外まで響いたのだろう。

二人の話がまる聞こえだ。

まぁ、心配してくれているので悪い気はしないが。

梓は予想よりも大きい長方形の箱を抱えて外に出た。

「・・・待たせたな」

「あ! 生きてて良かったよ、梓!!」

「・・何勝手に殺してるのよ 怪我ない? 梓」

心配そうに見つめてくる京華に首を縦に振る。

「・・じゃあ、開けるから家ん中来い」

「「りょーかい!!」」

梓はそう言って、勝手知ったる我が家の居間に向かう。

京華も玲も何度も入ったことのある家なので慣れているのだが。

「・・改めて見ると、でかいよねぇ」

「あぁ・・・ 玄関まで遠いとかありえねぇよな」

昔ながらの日本家屋に少しだけ気後れしながら二人は玄関に入った。


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