キミがいなかったらこんなに恋い願うこともなかったよ。
「本当、お前って女らしくないよな」

「うっうるさい! 人よりちょっと元気なだけだもん!!」

「・・・どうだろうな?久遠」

頬を赤く染めながら言う京華を見ても可愛いとも思えない残念な男、梓は久遠に問うた。

尋ねられた久遠はつまらなそうにあくびをしながら寝てしまった。

「そっそんなことより!! あのね、ホントは玲と一緒に言おうと思ってたんだけど」

「・・・何を、だ」

今この場にいない男の名を聴いて梓は眉間にシワを寄せつつ、京華を見ずに呟くように言った。

「私たちも“鬼狩り"しようって決めたの!」

「・・・・・は?」

一瞬耳を疑った。

鬼狩りを一緒にするだと?

「だっていつも梓一人で大変でしょう? 頼れる人がいたら良いかもって玲と「仲間なんかいらねぇよ」

京華の言葉を遮って梓は告げた。

急なことに困惑しながら、京華は口を開いた。

「で、でもさ! 人が多いほうが楽だし」

「・・・仲間なんて邪魔なだけだ」

「なんで? じゃあ私たちもずっと邪魔だった?」

「そうは言ってないだろう」

ギロリと睨みつけながら言うと京華は一瞬だけ悲しそうな顔をした。


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