キミがいなかったらこんなに恋い願うこともなかったよ。
見上げると、月影のまぶしい笑顔が目に入った。
『まぁ人間は煩悩の塊なんやから、安心せい!』
「安心できねぇよ はぁ、人間なんてなるもんじゃねぇな」
『・・覚えてるん? あのこと』
「は? 何言ってんだ」
『いや、こっちの話。』
そういうと、月影は右手を高くあげた。
すると桜の花びらが梓を包み込んだ。
「な、何する気だ!!」
『ワシが知ってるものだけ見せたる これは全部ホントのことやで』
「な、ちょ まっ・・・!!!」
月影が視界から消えていく。
手を伸ばすが、彼の着流しを掴む前に梓は桜の花びらに飲まれた。
*
誰かが笑っている、どこかで聞いたことのある声が聴こえる。
・・あぁ、そうだ。
夢で見た女の声だ。
梓は桜の花びらの舞う中、声がするほうへ向かうと・・・
いた。彼女だ。
茶色の混じった髪を横で一つに結んで、頬を桜色に染めながら笑っている。
・・・あれ、どこかで見たことあるような・・・?
『まぁ人間は煩悩の塊なんやから、安心せい!』
「安心できねぇよ はぁ、人間なんてなるもんじゃねぇな」
『・・覚えてるん? あのこと』
「は? 何言ってんだ」
『いや、こっちの話。』
そういうと、月影は右手を高くあげた。
すると桜の花びらが梓を包み込んだ。
「な、何する気だ!!」
『ワシが知ってるものだけ見せたる これは全部ホントのことやで』
「な、ちょ まっ・・・!!!」
月影が視界から消えていく。
手を伸ばすが、彼の着流しを掴む前に梓は桜の花びらに飲まれた。
*
誰かが笑っている、どこかで聞いたことのある声が聴こえる。
・・あぁ、そうだ。
夢で見た女の声だ。
梓は桜の花びらの舞う中、声がするほうへ向かうと・・・
いた。彼女だ。
茶色の混じった髪を横で一つに結んで、頬を桜色に染めながら笑っている。
・・・あれ、どこかで見たことあるような・・・?