キミがいなかったらこんなに恋い願うこともなかったよ。
顔を赤くしながら両膝の上に握り拳をつくって、怒りをあらわにする京華はそれを抑えながら口を開いた。

「私たちのこと、仲間とも思ってなかったの?」

「違う 俺は「違くないでしょう!!?」

とうとう怒りを抑え切れなくなった京華は言葉を遮って叫んだ。

その大声に久遠がビクッと跳ねた。

「仲間じゃないなら何? なんでもないただの他人でしょ」

「・・・違う」

「だったら何!!? 早く説明してよ!!!」

「・・・京華、少し頭冷やせ」

「触らないで!!!」

頭を撫でようと伸ばした手を思い切り叩かれた。

これは…拒絶、ということなのだろうか

急に胸の奥が締め付けられるように痛くなり、苦しくなった。

「・・・京」

「っ!!!」

我に返ったらしい京華は、ばつが悪そうな顔をしながら何も言わずに部屋から出ていってしまった。

「・・・俺、駄目だなぁ」

ポタ、と畳に雫が落ちる。

言葉が足りないのは分かってる。

でもどう言ったらいいか分からないんだ。


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