キミがいなかったらこんなに恋い願うこともなかったよ。
「・・そんなもんだと思うよ?」

空を仰ぎ見ながら玲が続けて言う。

「人間失言しない人なんていないし、一生人を傷つけずに生きていくなんて神業に近いもんだよ
悪いことしたなって自覚があるなら今すぐ謝りに行こう?
梓はきっと許してくれるよ
アイツも色々後悔してる頃だろうしねぇ」

「・・・玲のバカ」

「あれっココ普通お礼言われるはずなんだけどな!!?」

「アンタなんかにお礼なんて言わないわよ」

・・・少しは感謝してるけどね

お礼を言ったら調子に乗ることは目に見えていたので、あえて馬鹿にする。

苦笑いしているが、きっと玲には伝わっているだろう。
なんたって幼馴染だ。

玲が立ち上がったのでそれに習って立ち上がり、目を疑った。

「・・・梓・・?」

「えっマジ? 謝りに来たとかか?!」

改めてよく見ると、確かにその姿は梓だった。
黒髪の長髪が良く目立っている。

だが、梓は何かを探している感じは無い。
何かについていっているようだ。

「・・・こっそりついて行ってみるか!!」

「え、ちょっと待って!!」

そういって玲は梓の背中を追いかけてしまったので、仕方なく京華もついて行くことにした。


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