愛しい人

真実「由奈~」

あたしが小さく呟いた時だった。

「ちょっと!ヤダッ//」

それは確かに由奈の声。
由奈は逃げる途中捕まったみたいだ。


草の隙間から少しだけ見える。
男達に囲まれる由奈の姿が。


あたしはとっさにベンチを立った。
でも駆けつけなかった。

あたしも巻き込まれにいくの?
昨日仲良くなった子を??

もしあたしが襲われたら…


真実「………」

あたしはどうすることも出来なかった。

まだ由奈を知らないよ。
信じれないよ。

こんな自分が情けなくて憎かった。



由奈の方から声が聞こえてくる。

由奈「ちょっと///」

男「ねぇ。俺らとちょっと遊ぼ~」

由奈「嫌だ~!!!」

男「いいじゃん♪」

由奈「真実~!!」


由奈があたしを求めてる。

あたしは走った。
ただ由奈のもとへ。
< 16 / 35 >

この作品をシェア

pagetop