私の敵はチビ会長

2日目の学園祭





俺のとなりで小さくなっていたはずの奈梨がシュッと消えたかと思うと



瞬間移動みたいに素早く楽しそうに話してた玲を殴った




みんな唖然としていて、俺達がいたことにも驚いたみたいだけど



奈梨が顔を真っ赤にして玲の頭を殴ったことに驚いている






小山だけはオドオドしてて泣きだしそう



…いますごい音したけど




半泣きで頭を押さえてる玲を見ながら目を見開く



奈梨は殴ったときとはまるで違うように


玲を心配そうに擦っている







『え〜っと…奈梨?
なに怒ってんの?』




吋香がなんとか場の空気を換えようと声をだしたけど


全員無視。





『ご、ごめんっ!!
玲、大丈夫!?』


『だ、…大丈…夫。』


『本当にっ!?ごめん!!』


『こっち…こ…そ。』




途切れ途切れの会話…



玲…なんかやばいな


思考回路が壊れたとか…




俺はまだボーっとしてたけど


小山がいそいそとバックから救急箱を取り出してるのを見て



俺も一緒になって手当てを手伝った














『はぁ〜…。これで大丈夫だろ?』


『う、うん!ありがと…
手伝ってもらっちゃって…』


『おぅ。小山も大変だよな〜?こんな馬鹿共と一緒で』





恥ずかしそうに俯いてお礼を言う小山に笑顔を向ける




でもそんな俺の頭の中には志穂のことしか


ないみたい…



小山には悪いけど




怒ってるだろ〜な……


なんかまたガミガミ言われそう




ため息が出そうになるのを必死に堪え


玲と疲れて寝てしまった奈梨をベットへ運ぶ





『たく…。
こんなとこで寝んなよな』




でも気持ちよさそうに寝てる奈梨を見てると



妹のことを思い出した





…あいつも…こんな風に小さかったけ…















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