私の敵はチビ会長
『そ、そうなんだ…。』
こっちにも分かるぐらい動揺した後、黙ってしまった志穂
…俺なんかまずいこと言った?
なぜなら志穂の表情がさっきより暗く感じたから
草を見つめてなにも言わない
俺も自然と口を噤んでいた
『…ごめん。』
『は?』
『さっきの行動。不思議に思ってたよね?』
『…まぁ。』
さっきっていうのは志穂が壊れていた時のこと?
自分でも気づいてたんだ…
笑えてないって
俺は悲しげな表情を浮かべる志穂をただ見つめていた
なおも続けられる志穂の話
『あたしね?悩んでた。その人が本当に好きかどうか…わかんなかったから。はっきり言って、いまも曖昧だよ?でも会長の言葉ではっきり出来た。ありがと!!』
にこやかに笑い、戸惑う俺に頭を下げる
え…えっと?
意味不明なことに頭には?がいっぱい
それでも嬉しそうにそして恥ずかしそうに微笑む志穂を見て俺も口が緩んでいく
その後志穂を寮まで送り、ドアの手前で少し話した
『本当にありがと』
『…なんか志穂っぽくない』
『はぁっ!?せっかくあたしが…』
俺の言葉に怪訝な顔をして殴りかかってくる志穂
…プッそれそれ
さっきまでのしおらしさとのギャップに俺は思わず噴出す
それを見られ、もっと怒られた
『じゃあ、暖かくして…』
『分かってるって!!お母さん?』
『ちげーよ!ただ心配なだけ。』
そう言って笑うと俺はそこから去っていく
少し歩いてふと志穂の寮を見ると、
志穂が笑顔で手を振っていた
…プッ
『やっぱ飽きない』