私の敵はチビ会長









『……てめぇら……なにしてんだっ!?』






大声で生徒会室を震えさせるその人は今、とっても怖い



もちろんあたし達の顔色はよくなくてすこし青白いくらい





しばらくの沈黙のなか。




少し困惑した顔でふざけながら沙織が口をひらく









『きょ、恭哉?なに怒ってんの?』

『…怒るも何もこの部屋はなんだっ!?』




興奮した会長が指差した先にはあたし達(欄さん・沙織・葉月先輩)が汚した




悲惨な戦場地帯…。






あたしの頬に汗が流れる。
きっとこれは冷や汗






だって会長がこんなに怒ってるの始めて見たから









『ご、ごめんなさい…これはあたしのせいでして…』

『そんなっ!志穂は悪くない!!全部私のせいだよ!?』

『ちがうよ!私のせいだから。みんなは悪くはないからっ!!』

『葉月ちゃん…。いや…恭哉。全部俺のせいなんだ。怒るなら俺を…』






われながらひどい芝居だと思う…。



これは会長の怒りを少しでも抑えようというみんなでうった小細工



でもいまはこんなんで乗り切るしかないんだ。



涙を流して訴えればきっと会長も分かってくれるはず!!






予想どうり呆れ顔をしながらも頭を抱える会長





『ううん…あたしが』

『あぁ〜っ!!もうっ。うるせぇ!』





あたしの言葉をさえぎって怒鳴る会長。

一瞬怒られるかと思って身構えた




でも会長はため息をつくと黙って自分の席に戻っていき








『はぁ…。早く片付けろよ?』

『わぁ〜い♪恭哉さっすが!!』





沙織が抱きつくのを軽くよけた会長は飴をしゃぶる。


なんとなくだけど…まだ不機嫌?





眉間にしわがよっていてどう見ても機嫌が良いとはいえない




心配しながらも会長にまた怒られるのも嫌だから片付けを開始した






































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