私の敵はチビ会長
あたしも早く帰ろ…
また沙織に捕まえられちゃうし…
教室を出ようとした瞬間――…
『こらぁ~どこ行くのっ!?志穂!』
うわぁっ…
噂をすればだよ…
渡部沙織(ワタナベ サオリ)は
モデル並みに可愛いくて、おまけにものすごく頭がいい
それにケンカだって物凄く強い
毎日のように職員室行ってたっけ…
あたしたちの中学校はケンカ命のバカ校でケンカがすべてだった
おかげであたしまで巻き込まれたんだから…
膨れっ面の沙織はあたしの通る道を封鎖する
あたしはそんな沙織に向かって眉を潜めた
『どこって寮だよっ!!あたしは絶対行かないから!帰ります!』
『今日は付き合ってくれるって言ったのに!?』
『言ってない!それにどうせいないって…』
『まだ一回もいってないのにどうしてわかんのよぉ!!?』
『とにかくヤダ!!べェー!!』
あ…
あっかんべーをされた沙織は鬼の形相で笑ってる…
怖い…
あたしは顔をすこし青く染め沙織を遠慮がちに見る
しゃべらないのが余計怖い!
沙織は暫く黙りこんでいるとゆっくりと顔をあげニッコリ微笑む
『志穂?行くよ。』
『…はい…』
ニッコリっていうか…ニヤリ?
でもその迫力に負けて思わず返事をしてしまった