私の敵はチビ会長








『おーい。でてこいー』




いたた…。


木という木が俺の体を刺しまくっていく



けっこう痛い


腕からは掠って血がでてくる





ここは学校の中で有名な藪畑でどこまでもひろがる藪が印象的な場所


夜は真っ暗にまって出てこれなくなる





だから、ここに猫がいるっていうのは危険


いくら猫だってでてこれないかもしれないから




しかも…。あれは子猫の声


まだ幼さが残っていたのがその証






『なんとしても見つけてやる』







ガサガサ





ニーニー



っ!!?



今度ははっきりと聞こえた

俺から見て西の方角でまだ小さいってことは遠いんだろうけど確かに聞こえた






『こっちか!』




ガサガサ




『大丈…』




え…?





確かに猫は目の前にいた


けど…なにか別の物もいたんだ





『なによ?』







それがいまおれの目の前でコーラを飲んでいる女




木で傷つけたのか腕や足は傷だらけで


ところどころ血が滴っていた




髪もぼさぼさになっていて、服も制服なんだろうけど破れている




こいつも…猫を…



強く握られている腕の中には安心しきっている子猫


おれもそれを見て安心できた







『おまえが助けたの?』

『まぁそうだけど』

『そっか。よっ、さきこされちゃったな?でも無事で良かった』





俺は静かに子猫に近づくと優しく頭を撫でた


そして満面の笑みを向ける




ニーーーー



嬉しそうに一声そう鳴くと舌で俺をなめてくる





『うわっ!!くすぐったいっての♪』




もう一度子猫の頭を撫でると俺は立ち上がって


その女に軽く頭を下げ、去っていこうとすると




















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