私の敵はチビ会長







え…いいの?それ



笑って気軽そうに言った言葉とは思えないほど重大な言葉




ようするにこいつの友達は、迷子?



おれは違うことを信じて呆れ顔をしながら女を見る




『あの子方向オンチでしかも馬鹿だからさ?すぐいなくなっちゃうんだよね』

『場所はわかってんの?』

『知らないからいま探してたんでしょ?あっ!!手伝ってくれるの?』





女はまるでちっとも心配していない爽やかな笑顔で猫を見つめながら言う



そして猫がこっちを向いた瞬間と同時に俺に微笑みかけてきた






…え?








そしておれは無理やり強制的に友達探しに手伝わされたのであった











『いやぁ〜長かったね♪』

『長かったじゃねぇよ…なんでおれが最後まで説明してんの?』

『いいじゃん。うち説明下手だしさ?』





だからうちってなに?








結局あのあとその友達って子をずーっと探し回ったわけだけど




なんせ個人情報だからとか言って名前も教えてくれないから探しようがなく、



ただただ歩いてただけとなってしまった





しかも奈梨との約束守れなかったし






で、見つからないからとりあえず学校にきたってこと。




まぁもう昼なんだけどな











『しかし…猫可愛かったな〜どうせならうちが飼いたかったんだけど、ほら?うちアパートだから』

『しらねぇよ。てか友達探さなくていいわけ?』

『なに言ってんの?いいわけないじゃん!!』





そう言いながらコーラを飲み干す




…言ってることとやってることが全然違うんだけど




とりあえずそいつを睨んでから情報を整理することにした




いくらこんなムカつくやつの友達とはいえ、迷子をほおっておけるほど冷徹じゃないし



















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