私の敵はチビ会長






『…大丈夫だよ。目になんか入っただけだし。』


『志穂、ちゃん…いまさ、俺のこと恭哉と思ったでしょ?』






ビクッ




体がまるで答えを示すように震えた




静かに近づくとあたしの前の席に腰掛た欄さん



あたしがゆっくりと欄さんを見ると、欄さんもこっちを見て悲しそうに笑う







『…っ。そ、そんなことない…です。』

『いーや。絶対そうだな!!だって俺だと思うはずないもん。』

『え…?どういう意味?』




欄さんはしばらく俯いたと思ったら今度は意地悪そうな笑みを浮かべていた





な、なに…?





『だって、俺。志穂って呼んだんだよ?』

『え…?』






確かに…。



さっき志穂って呼ばれてあたしはすぐに振り向いた





そういえば…欄さんっていつもは志穂ちゃんって呼んでたような








『いや〜志穂ちゃんがあまりにも悲しそうにしてたからさ?意地悪しちゃった』

『なっ…ひどいですよ?』

『まぁまぁ♪それで、恭哉の声まねて言ってみたら大当たり!!急いで志穂ちゃんこっちむいたもんな〜?』

『そ、そりゃ…誰だって名前よばれたら振り向きますよ。』

『そうそうあんな急げないって!!…でも。そんな志穂ちゃんにこれ言うのはしんどいなぁ…。』





そう言うと欄さんは優しくあたしの頭を撫でて慰めるようにあたしを見た





それは…どういう意味ですか?




でもなんとなくは分かってるんだけどね。



だって欄さんは会長と一緒にいたあの女の人を調べてきたんだよ?





だったら…悪いことに決まってんじゃん…。









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