私の敵はチビ会長
その子は意識がないようでグテーっとしてて、なんかやばい雰囲気
あたしはその子の肩を精一杯揺らしてみるけど、まるで応答なし
それどころか腕から血が出てる
それを見た瞬間あたしの思考は停止した
え…?やばくない?これ
なにがなんだか分からなくなって、気づいたときには自分のTシャツを破いていた
それを血が流れる腕へと巻きつけた
経験も知識もあるわけじゃないけど、なにかがあたしを突き動かしたんだ
あんなところにさっきの女の子が目を覚ますまでいることもできず、
壊れた自転車を引きながら女の子を背中に乗せた
体も小さければ体重もすごく軽い
いくら力には自身があるとはいえ、いくらなんでもできないと思ってた
意識のない女の子はあれだけの事故にもかかわらず、スヤスヤ寝てる
そんな女の子の寝顔を見ていたらすこし緊張がほぐれていく
…しかし。
なんであたしこんなことになってるんだろ?
さっきまで家に帰ろうと普通に道を歩いてただけなのに…
でも、まぁ…。
いい気分転換かもしれないな…
女の子を背負いながらなんとかあの公園に着くことが出来た
奈梨さんに会うときは全くたどり着きそうになかった公園に、
こうもいとも間単につくことが出来た
…これも運命かな
公園のベンチにそっと女の子を寝かせ、あたしもすこし休憩
汗を手でぬぐいながら隣で寝てる女の子の顔をのぞきこむ
…きれいな顔だな〜…。
でも、ここらへんでは見たことないかも