私の敵はチビ会長




亜姑と話しながら公園に向かう道はやっぱりいつもより短く感じられる



それだけ、楽しい





でも…なんでだろ?



いつもは話したくないのに…




会長のこと亜姑に聞いて欲しい





そして嫌な予感もするんだ





あたしが話すことでなにかおこるってこと?



わかんないよ…。







『志穂?公園つきましたよ?』

『えっ!?本当だ…。なんか早いね。』

『ははっなに言ってるんですか?いつもと同じ距離ですよ?』




可笑しそうに笑う亜姑


あたしも一緒になって笑った






でも、消えない不安



亜姑が離れていくような不安





こんなに近くで笑ってるのに、今日は遠く感じる



手を伸ばしても届かない距離にあるみたい






…嫌





グイッ





『…?志穂?』

『ごめん…座ろ?』



焦りながら不思議がってる亜姑をベンチに座らせた




…なにやってんだろ?あたし



さっき、あたしは無意識のうちに亜姑の袖を引っ張っていた



まるでどこにも行かせないように…





もう自分から誰かが離れていくなんて耐えられない



失うのが怖い




会長も沙織も未夜も





どこかに行かないで?


ずっとそばにいてよ









『志穂…今日は大事な話があるんです。』





ドクンッ




嫌…

















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