私の敵はチビ会長
嫌…。
心では『嫌だ』と叫んでいるのに、あたしは黙って亜姑の話を聞く
声がでない
不安が的中したんだ
亜姑が
亜姑が離れていく
あたしにとってそれは耐え難いことだった
勝手な妄想かもしれない。
けど、どんな風に考えようと悪いほうにしか頭が働かない
『私ね…実はちゃんと目的があってきたんです』
『えっ?』
…大丈夫
大丈夫だよ。
亜姑はあたしから離れて行かない
大丈夫
だから…
震え、止まってよ。
『私は中学生のときにお見合いをさせられました。相手は不動産業を営む三毛(ミケ)財閥です。』
『えっ!!?あの…三毛会社!?…亜姑。亜姑いったい何者なの?』
『…私は、私です。でも…しいて言うなら東瞳財閥の一人娘と言ったところでしょうか』
悲しそうにでも清々しさがこもったそんな顔
…亜姑がこんな顔するなんて
普段の笑顔からだと考えられない
東瞳財閥。
海外にもその名を轟かす
一流大企業だ
主にホテルや飲食店なんかを経営してて、知ら無い人なんかいないほど
その一人娘
亜姑はお金持ちの娘なんだ