私の敵はチビ会長




『俺は、家族が大好きです。とても大切に思ってます。…でも、それとおなじくらい亜姑のことも大切なんです』

『…。』

『人を好きになるのに、家系なんて関係ない。すくなくとも…俺には。……俺は亜姑を大切にしていきたいと思ってます』




…藍川くん…。


ありがとう…








『わ…私もっ!!』

『…亜姑…?』



急に大声をだした私に、お父さんがびっくりして目を見開いた



当然と言ったら当然の反応かもしれない…。






だって…




私…泣いちゃったから…。





『っ…うぅ…ふっ…』

『亜姑…。』




藍川くんが寂しそうな顔をして、私を抱き寄せた



ビクッと体を震わせる私にさらに抱きしめる力を強くする





…藍川くん




まるで慰めるように私の頭を撫でる




ゆるまる腕の間からそっと上をむき、


藍川くんを見ると笑顔で笑ってくれた





うん…そうだよね。



ちゃんと言わないと




自分の気持ち、しっかり





藍川くんから離れると、涙に濡れた間を腕でこすりキッとお父さんを見る




『お父さん…私も…藍川くんが好き。一緒にいたい。大切にしたい。…確かに私はこの家の跡取り…でも、一人の女として好きなの。…藍川くんを愛してる』

『……亜姑……はぁ…分かったよ。好きにしなさい』

『っ!!…お父さんっ!?』

『そのかわり…辛くなったら必ず相談しなさい』

『うんっ!!』




お父さんが優しく頬園でくれたのを見て、胸が一気に高鳴っていく



まるで、鎖から解き放たれたみたいに、嬉しさと涙がこみ上げてくる





嬉しい…





バッと振り返り藍川くんと喜ぼうと思った瞬間



なにか柔らかいものが私を包む





それと同時に倒れる私



勢いが強すぎたせいで足がもたない






























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