私の敵はチビ会長







『これはな…2枚ある。』

『え…?』

『1つは三毛財閥のものと、もう1つはおまえの1人暮らしのための費用の契約書だ』






意味、わかんないよ…




費用ってなに?



一人暮らし?





つまり、この家を出てけってこと?







『…この家には借金が出来てしまった。じきに、借金取りが来るだろう。…おまえにはそんな経験させたくはない。辛い思いなど、させたくないんだ。』





思っても見ない言葉がお父さんの口から溢れ出すように次々と出てくる




その言葉1つ1つが私が望んでた、私がずっと欲しかった言葉






『おまえのことが…ずっと言わなかったが一番大切なんだ。おまえには笑っていて欲しい。そのために…今日はここに呼んだんだ。…いままでこの家に、私にしばっていて、すまなかったな…。おまえはもう…自由だ。』






分かってる…?



お父さん…。





無意識なのかもしれないけど…





一人暮らしの契約書を三毛の上に重ねてるよ?





まるで、これに書かせるつもりのように




これにしか書かせないように







お父さん…。



本当は悲しいはずなのに



本当は辛いはずなのに





いま、笑ってるよ?




いままでに見たこともないような笑顔で





















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