私の敵はチビ会長





亜姑の顔が喜びと戸惑いに変わっていく


会いたいけど、会っていいのかわからない

そんな顔。




あたしはうるさくなる心臓音だけが聞こえていてクルみちゃんの話なんか聞いてもいない


ただ、亜姑の表情を必死に見つめるだけ。




『会ってきなよ?…会いたかったんでしょ?ちゃんと話しな?』

『…うんっ!!』



不安そうにしてたけど、クルみちゃんの言葉になにかを決意したのか


そう言って笑顔で走りだす亜姑




亜姑があたしの前を通り過ぎる時確かにドクンと胸が痛くなった





…これでいいのかも。

亜姑は何年も会長のこと思ってきて、ずっと後悔してて…


昨日今日好きになったあたしなんかと重みが違う



もしかしたら、会長もまだ亜姑のことが好きなのかも


…ずっと探してたんだよね?

亜姑のこと。



だから、クルみちゃんと一緒にいたんでしょ?


だから、そこまで息切らして、急いできたんでしょ?



…分かってるよ。


亜姑を見つけたとき、会長微笑んでたもんね














































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