私の敵はチビ会長





ズキッ


胸が熱くなる

まるで告白の返事でも聞くみたい


聞きたい反面、怖くて聞きたくないって思ってしまうあの感じ



あたしは小さく頷くと亜姑とクルみちゃんの元へ走っていく




『志穂…ごめんなさい。迷惑かけて…まさか、志穂の好きな人が藍川くんだったなんて…。』

『…え゛?』



しょんぼりとうなだれながらそう言ってくる亜姑になにも言い返せない



え…?

なに言ってるの亜姑?


動かない首をなんとか動かしてチラリとくるみちゃんを見るとニヤケながら首を横に振っていた



そんなクルみちゃんを横目で睨みながらなんとか誤解を解こうと亜姑に詰め寄る


『ち、違うのっ!!別にあたしは…っ』

『分かってます志穂!それ以上言わなくても思いは通じてますよ!!』


誰にっ!!?

どこにっ!!?


なにがぁーーーっ!!?




一向に聞こうとしない亜姑にアタフタしているとニヤケていたクルみちゃんが真剣そうな顔で割って入ってきた




『で!?どうなったのっ!!?』

『あ、うん。えーと…振られましたっ!!』



…え

嘘、でしょ?


言ってることと表情が全然かみ合ってない亜姑に、

さすがのクルみちゃんも言葉を失ったみたい


口を開けて亜姑を見つめていた




なんで?

なんで、笑ってるの?


あたしも亜姑を見つめることしか出来ない



嘘だよね?と言わんばかりにあたしは亜姑を、亜姑の心を見つめていた




















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