私の敵はチビ会長








『じゃあ、私達帰りますね。』

『うん!!元気でね亜姑』




いま、あたし達は新幹線乗り場にいた


今日なんとクルみちゃんと亜姑は東京に帰ってしまうらしい



だからそれの見送りをあたしと沙織、輝と会長で来ているんだ




『はい!!…でも、寂しいです…。』

『亜姑…あたしも〜っ!!』


抱き合うあたしと亜姑の横でクルみちゃんはケータイなんかをいじくってる


興味なさそうにため息をつくといつまでも離れないあたしと亜姑を引き離した




『ちょっ!!くるみちゃん!!』

『もう会えないわけじゃないんだから…大袈裟。亜姑も』

『お、落ち着いて…。』



あたしがクルみちゃんを睨むと慌てたように亜姑が入ってきて仲裁をする


なんかこれ毎度のパターンになってるような…。



せっかくの見送りなのに…
泣かせてくれたっていいじゃん。



眉間にシワを寄せるあたしの肩にポンッと暖かい感触



『くるみの言うとおり!』


沙織まで!!


その手の持ち主は沙織であたしに味方するどころかクルみちゃんに味方していた

しかも、なぜか呼び捨てだし!!




『ありがと、沙織。』

『いえいえ♪』

『あっ!!電車きたよー!!』

『電車じゃなくて、新幹線。』



輝の天然ボケにすかさず突っこむ会長は黒いダメージジーンズにカラフルな色のパーカを着てて、


なんていうか…ずるいくらいカッコイイ…。




頬が赤らむのを抑えてあたしは新幹線を見た


…これに乗って亜姑たち行っちゃうのか…



寂しいな…


胸の奥がキュンとして目尻が熱くなる

鼻もツーンとして痛い























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