私の敵はチビ会長




〈恭哉〉





志穂が勢いよく扉を閉めて生徒会室から出ていった



それを俺は追いかけることもせずただ黙ってみてるだけ




だって…



自分で追いかけるとか…



かっこわるいじゃん…。








『はぁ〜…。』



ペロキャンをカランコロン鳴らしながらため息




そんなこと思ってるほうがかっこわるいか…





静かになった室内で俺のペロキャンの音だけが異様に響く




だれもなにもしゃべらない


みんな自分の仕事に集中してる






いや…



間違えた





全員が俺をじーと見ていた



まるで俺が悪いことをしてるみたいにずっと俺を見つめている



自分の机に向かっていてもその視線からは逃れられずに俺は気づかないふりをして耐えていた





でも…


なんだよこいつ!!




となりにいたって仕事資料片手にニコニコしながら俺をガン見する進



他の奴らとは違う訴えを感じる…




しかも笑ってるからよけい怖い








…。







『なんだよっ!!?』




我慢の限界で机を叩いて立ち上がった俺に全員の視線が向けられる



…うっ。



一瞬たじろいたけど負けじと全員を睨んでいると進が楽しそうに口を開く






『恭って…ばかだよねぇ』

『はぁ!?んだよ急に…』

『なんで追いかけないの?』

『なんで俺がっ…』

『恭哉が志穂ちゃんにあったたからだよ!!そんぐらいわかりなさい!!』




俺の声を遮って大声をだしたのはなんと葉月先輩



興奮したように立ち上がって俺に近づいてくる




隣では苦笑い気味の優が口ぱくで



『きおつけて。』



となぜかやばそうな空気…











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