私の敵はチビ会長




『な、なにがだよ?』

『まだそんなこと言ってる!!』

『いって!!』



俺のすぐそばまで来た葉月先輩はまた怒りながら


俺の頬を上下に引っ張った



それが尋常じゃないくらい痛くて…



不覚にも涙目になってしまった




葉月先輩がすこしたってやっと頬を放すとすぐさま進が



『恭泣いてる〜♪』



とよけいなことを言ってきたから一発殴った




進は黙ったけど目の前にもうひとり黙らずしゃべり続けてる奴が…






『ちょっと!!聞いてるの恭哉!!?』

『うっさい…。』

『うるさいってなによ!!』



まるで一人しゃべり機みたいだ…



心のなかでそうつっこみ優に目で助けを求める




そうすると優はしっかたないなとでも言うようにゆっくりと立ち上がってくれた





『やめろよ葉月。恭哉だって後悔してんだから』




…へ?


後悔?




思いがけない言葉に目を見開く 



俺が驚いてるのを見て葉月先輩は目を細めるし、優は不思議そうに首を傾けた





『…後悔、してないのか?』

『え…してないっつうか…してるっつうか』

『どっちよ!!!』




…わかんねぇよ!!


そんなこと…。



なんで志穂が怒ったのかもわかってないんだから



わかるはずがない…






なんで志穂は怒ったんだ?



俺がなんか悪いこと言ったのか



でも…あんぐらいの言い合いはいつものことだし



ほかに変わったことはなんにも言ってない気がする





俺がなにも答えられずにただ黙って俯いていると



扉の方から笑い声とともに声がした
















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