私の敵はチビ会長
『まあね♪』
親指を突きたて嬉しそうに笑う進くん
それがあまりにも無邪気でこっちも笑顔になりそうになる
『え?でも…廊下とかで進くんと会ったことないけど?』
『ん〜…。運が悪かったんじゃない?』
『そうかな…』
あたしと進くんが話していると近くで人の気配がした
『しぃー…。』
気配の元は…
人差し指を口にあてて小さくなってる会長だった
なにしてんの…?
あたしは半分呆れながら会長を見た
『なにしてんの?てかいつのまに?』
『うっせぇ。おまえ進と仲いいの?』
『はぁ?なんで?』
進くんに気づかれないためか小声で話す会長
その進くんは生徒会室にあるテレビに夢中になってる
なんでテレビが?
この部屋に必要ないテレビの存在に戸惑うあたし…
ボーとしてるあたしにイライラしたのかあたしの腕を器用に左手でつねる
『痛っ…なにすんの!?』
『それはこっちの台詞…』
『はぁ?つねることないじゃん!』
『うっさい。…で?質問の答えは?』
『…昨日あったばかり』
謝らない会長にイラつきながらも渋々答える
顔をあげるとなにか考えごとをしてるように指をあごに当てる会長がいた
なにそれ…?
思わず噴出しそうになるのを堪えて会長の言葉を待った
『じゃあ進のことなにも知らないんだな?』
『うん…まぁ。』
『あいつ金持ちの息子でこの学校の所有者。』
あっさりと人のことを暴露した会長
聞きなれない言葉に目をぱちぱちしてしまった
しょゆうしゃ…?