私の敵はチビ会長
バイトに挑戦!!
いよいよ土曜日。
今日は沙織とdbyyに面接かつ観察に行く日
待ち合わせ場所に集合した沙織はそれはそれはオシャレで。
あたしなんかが隣にいて釣り合うか心配になる…
『なにその重苦しい顔はぁ!!』
『だって…』
『いまからdbyyに行くんだからね!?ピシッとしなさい!!』
沙織の気迫に圧倒され嫌がおうにでも笑顔を作らされた
…なんか行きたくなくなってきた
あたしは空を見上げながら小鳥達が自由に飛んでいくさまをぼんやり眺める
…これもあれも全部会長のせいだ!!
会長があたしにばっかり冷たいから…
あれから一言もしゃべってないあたし達の間には溝ができていると薄々気づいてる
泣きたいくらい深い溝が…
『ほら!!志穂いつまでぼーとしてるの?着いたよ』
興奮して声のトーンがひとつ高くなってる沙織は目を輝かせてその建物を見た
あたしもおなじように見上げるが瞳は輝かずむしろ驚きすぎて苦々しい。
な、なに!!ここ!?
ご、豪邸!?
動揺しすぎて声がでないあたしの腕をウキウキしてる沙織が掴み中にひきづってく
なぜか無邪気にはしゃいでる沙織はあたしから見れば怖いものしらずだ
お金もちだからかもしれないけど、こんな建物普通はズカズカ入ってけれない…
そしてもちろん慣れてないあたしは失神もの。
…こんなとこで働くなんて無理
すでに弱気の諦めモード。