私の敵はチビ会長
いた…
志穂の細い体のどこにそんな力があるのかと驚いたが
涙目で俺を睨む志穂の目に釘付けになった
視線を逸らさない志穂はどこか怯えていて俺を叩いた手も微かに震えていた
『…会長は…人のこと聞くくせに…自分のことなにも話そうとしないじゃん…。なにも話さないから………誤解したりしてる……あたし……あたし…』
最後の言葉は
俺の耳には届かなかった
届くまえに、志穂が下駄箱の方に走って行ってしまったから
『…ボソ…なんなんだよ』
俺はジンジンと痛い頬をさすりながら下を向き呟いた
ガサ
草が擦れる音がしてハッとして咄嗟に体勢を低くする
…あぶね
まだやってんのか…長い
志穂のことを頭の片隅におき呆れた俺はゆっくり近づく。
苛々させるそいつらの真ん前で立ち上がった
『はい…終わり。』