私の敵はチビ会長





そこまで言って俺は掴んでる方とは逆の手でスカートの上から優しく撫でてみた



ビクッ


身体を跳ねさせる女は顔を赤くして上目遣いで俺を見る


涙目なのが妙に色っぽい




ふぅ〜ん…。

欄にもこういう顔見せて誘惑したのか?


…あいつなら、意外と優しいから断れないかもな




俺は動かす手を止め、俯き掴んでる手を離す


もたれていた女の肩を押して自分の足で立たせる



驚いてもう一度手を掴もうとしてる女の手を振り払い
真っ直ぐに顔を真っ赤にした女を睨む





『…欄とも……こういう関係?』

『…ぇ……ち、違う!……欄くんは……好きな人がいるから…みきが強引に…』



…は?


想像していたのと違う話をされ、戸惑う


正直肯定するかと思ってた


なのに女は泣きそうで、
さっきとは別人のように悲しい顔をしてる




…え

まじ?そういうこと?



馬鹿な俺でもようやく分かった。



こいつ…

欄のこと好きなんだな




すっかり勘違いして、女を傷つけて泣かせてしまったから

もうどうしていいか分からずパニック状態。




やっぱり俺は涙に弱い…。




困っている俺に女は泣きながら無理に笑顔を作る


それは鋭く俺の胸に刺さってきた




『…はは、みき…馬鹿だよね…。欄くんが困るって分かってるのに……こんなことして……』



溜めていた涙が女の頬を後から後から伝ってく


その姿は志穂と重なって余計に心が重苦しい。



…なにやってんだ…俺


今日で2人目だぞ?




…本当、なにやってんだ…。

















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