私の敵はチビ会長
未夜のあたしを見る顔が次第に苦笑いに変わっていく
チラッと男の学級委員と楽しそうに喋っている輝を盗み見て
深くため息をつく未夜
あたしはそんな未夜をみてなんか哀れに見えてきた
でも…寮にいるとしても、輝まで巻き込むわけにもなぁ
あたしの家なんて勿論ダメだし、
てか一人輝を制御できるかまず怪しい
『ん〜…あと、数人いたらなんとかなるんだけど…』
あたしが誰にも聞こえない声でそうポツリと呟くと
近くでガサという音がした
ん?
なに…
振り返ったその瞬間あたしの身体の自由が奪われた
『ギャッ』
『…しーほぉ!!!フフ…お困りのようですねぇ』
あたしは驚いて目を見開いたけど、その人物を見て呆れて目を細めた
…沙織…
びっくりするじゃん!!
あたしに抱き着いて手の動きを止めていた沙織の腕を振り払う
体勢を崩す沙織だったけどすぐに持ち直して
今度は未夜に擦り寄って輝を綺麗にデコった指で指差す
『未夜ぉ♪輝のことは任せてぇ〜私と志穂でなんとかするから!!』
『へ…あ、まじ?助かるわ〜んじゃ今日から行くからばいばい。』
嬉しそうにあたし達に微笑むとそそくさと帰っていく未夜
しかも…
スキップ
未夜まえ、旅行行ってたばっかなのに…
お金もちだなぁ
あたしん家なんて帰る場所もないのに…
自分の置かれた状況にため息がでてくる
そんなあたしに上機嫌の沙織が近づいてきて
楽しそうに話しかけてきた
『いやぁ〜楽しみ♪輝には言っとくね!!あ…あと私の部屋で泊まろぉ?それと他にお客いるからさぁ』
不適な笑みを浮かべあたしに手を振って帰る沙織
なぜかあたしには嫌な予感しかしなくて
少々不安になりながらもあたしも帰ることに