私の敵はチビ会長
自然とその人の名前を呼んでいた
その声に応えてほしくて
その声を聞かせてほしくて
でも、今のあたしじゃ
それは叶わなかった
会長は目を丸くしてるだけで、あたしから視線を反らそうとしない
だけど、逆にあたしの呼びかけにも応えない
…なんで?
ふと、自分が今欄さんのももに乗っていることに気づく。
この状況を誤解されたくないあたしはバッと欄さんを押した
『え…ちょ』
困惑する欄さん
その顔を見てあたしも困惑してどうしたらいいかわからなくなる
ギシ
ッ!?
玄関から床が軋む音が聞こえて無意識に反応してしまう
そこには不機嫌そうな会長が優さんの隣に座った姿
なんにも言ってくれないところがすごく悲しい
堪えられなくてゆっくり俯く
…もう、嫌
いまの絶対嫌われた
会長は欄さんと付き合ってるって思ってるから
見せつけられたと思われたらどうしよう…
あたし…
最低だ
沙織と欄さんが心配そうにあたしに近寄ってきてくれたけど、
元気な姿を見せる余裕もなくて…
悲しい感情を表に出してしまった
沙織があたしとおなじように悲しい顔を見せた
ズキ
ごめん…
沙織