私の敵はチビ会長
欄さんも苦笑いをして優さんと楽しそうに喋ってる会長を睨む
すぐにあたしはそれを止めた
会長が悪いわけじゃない…
勝手に傷ついてるあたしが悪いから
欄さんがなんとかやめてくれて、あたしがまた俯いたとき
『志穂……ごめんね。勝手にみんな呼んだりして』
『ううん…。』
申し訳なさそうな顔をした沙織があたしを見つめる
でも、あたしを見た後チラッと会長を見た
苦しそうな顔で睨んでる
何年も一緒にいるから沙織のその視線の意味をあたしは理解できた
…沙織
気づいてたんだ
あたしは沙織に向かって小さく微笑むと、
はっきりと自分の気持ちを沙織に言う決心をした
沙織は…
あたしを助けてくれようとしてくれてるのに…
なにも言わないのは、
ダメだよね。
あたしは俯いてた顔を上げ、キッと心配そうな沙織を見つめる
驚く沙織にあたしは小さく沙織以外に聞こえないように呟いた
もちろん欄さんにも…
『黙っててごめん………あたし、……会長…が好き』
自分の気持ちを声にだすのが恥ずかしいくて辛くて一瞬ためらったけど、
あたしははっきりとそう驚く沙織に告げた
言うときは怖くて恐怖心でいっぱいだったから
ギュッとなにも見ないようにきつく目を閉じる
沙織の反応が不安で、
今まで黙っていたこと怒られるんじゃないかと怖くなる
あたしが沙織の声が聞こえるまでギュッと目をつぶり続けていると、
沙織がいるらしき方向から『はぁ…』とため息が聞こえた
ため息に反応してあたしの肩がビクッと揺れた