私の敵はチビ会長
やっぱり呆れられた…
そう感じてあたしは恐る恐る目を開く
でもそこには、
あたしを見つめて優しく微笑む沙織の顔があって
蔑まるんじゃないなと思っていたあたしの心は沙織の笑顔を見て暖かくなっていく
苦笑いして沙織を見る
『…ごめんね、黙ってて』
『いいよぉ♪まぁ言いにくいだろうしね!!でも、言ってくれて嬉しい<emj:136>』
『…沙織。』
にこやかに笑う沙織の器の大きさに感動して涙目になるあたし
優しく包んでくれるような言葉がすごく嬉しい
泣きそうなあたしの頭を沙織が笑いながら撫でると、
ゆっくりとあたしに視線を合わせながら立ち上がる
…?
ボケッとしてるあたしに対して沙織はまるですべてを知っているかのように笑う
上から見下ろされて、沙織が女王様に見えてきた
欄さんとなにかアイコンタクトをして頷き合う二人
欄さんもなにもかも分かったよう
あたしだけ取り残された、
この空気
…なに?
なにか、企んでる?
あたしが疑うのは無理もないと思う
だってさっきから沙織がニタニタと楽しそうに笑っているから
あの感動的な笑顔はどこに行ったんだろ…
ニタニタ笑顔のまま沙織は隅っこに追いやられていたクリスタルのモノクロテーブルに飛び乗った
それにはうるさく騒いでた全員が注目する
『ゴホン』
小さく咳ばらいをした沙織がイキイキしているのを見てあたしは不安で堪らない