私の敵はチビ会長









ピッ




あたしが引いたそれは最後の3本で


一番奥にあったその棒には




【3】


と沙織のきしゃな字でそう書いてあった






まじまじと眺めてると、3番という数字は不吉にしか思えない


なのに沙織は意味ありげに笑ってるし…




沙織は輝にも同じように引かせるとすぐさま、


壁から2番目の布団のまえの布団にストンと座った







…沙織は、あそこ?


沙織の隣には葉月先輩でその隣には優さんがいる





いいなぁ〜!!

知り合いばっかに囲まれて楽しそうに笑う沙織を睨む




でも、ずっと立ってるわけにもいかなくて仕方なく3とデカデカと書かれた布団に近づく










気のせいだよね…







あたしの行く先にはもうあたしに見せた冷淡な態度が微塵も見られない会長の姿




しかも寝間着で寝転んでいてここからでも見える、


ブカブカなVネックからはだけた首元と鎖骨




それが妙に色っぽくて、体が反応する


心の底から熱が込み上げてきて鼓動を加速させていく







…え


会長…なんで、そこにいるの?




不安と困惑でとっくに行動も考えることもできないはずなのに

不思議と足は止まらない








もしかしたら…


淡い期待を込めて会長に一歩一歩歩んでいく






あたしの存在に気づいてないのか笑みを浮かべて優さんと話してる























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