私の敵はチビ会長











『あ!!志穂こちこちぃ♪』




ッ!!

沙織!!





止まらなかったあたしの足が止まる


冷や汗が背中を伝う




どうか気づかないでください!!

そればっかりを逸らせない視線のなか必死に願っていた












…あ…ダメだ





あたしの視界の人物の動きが止まったと同時に、


会長の視線があたしを捕らえる






さっきまでの比じゃないほど一気に高まる鼓動


会長が目の前にいるそれだけでも痛いくらい苦しいのに…



あたしを見つめる会長は視線を逸らそうとしない






沙織と葉月先輩、そして優さんが不安そうにしてるなか



あたし達は動けずにいた









そんな緊張のなか…









『志穂ちゃん!!俺の隣ぃ〜!!』






空気を微塵も読めない男の人…。


欄さんもそうだけど、



欄さんは優さんによってどこかに監禁されてしまったからいない





ということは…










『郁…さん。』

『あー!!もぅ、郁の馬鹿!死ね!!』

『はぁ!?なんで葉月に怒られんだ?』

『いいとこ!!』

『…意味わかんねぇ』






ここで葉月先輩の怒りが爆発しなかったのは優さんが葉月先輩の口を塞いだから




…ありがとうございます

安心してため息をつく






ふいに会長を見ると、もうその視線はあたしに向けられてなくて…


優さんと葉月先輩を見て苦笑いしている








…なんだ…


やっぱあたしなんて、興味ないじゃん…






人を振り回す会長の行動にだんだんイライラしてくる




なんであたしばっか…

あほみたい






















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