私の敵はチビ会長

王様ゲーム






沙織がそう言った瞬間、部屋のなかにいる全員が沈黙した


もちろんあたしも突然のことにうまく反応できない…





おうさま、ゲーム?

って…いうのは…


命令だすやつ?


頭のなかがこんがらがってうまく整理するのに5分かかった






その間に進んでいく話








『王様ゲームか…面白そうじゃん!!』

『え…でも…』

『馬鹿。梓菜、怖がらないの!楽しいから』

『やろ〜やろ〜!!』

『進はどうする?』

『うぅ〜ん…眠たいから…パス…』





なんか…


皆やる気モード?





あたしと優さんは取り残されたようにポツンと盛り上がる人達を見る


お互い目を合わせて苦笑い



気まずい雰囲気のなか盛り上がるチームから抜けてきた会長が優さんとあたしの間に腰を降ろす





気難しく腕を組んだ会長に優さんが耐え切れず笑ってしまった


驚いて優さんを見てもまだ笑ってる






…プ

可笑し!!




あたしもつられて笑うもんだから会長は更に眉間にしわを寄せる



『だから、さっきからなんでお前達笑ってんの?』

『べ、べつにっ…』

『うわぁ…笑いながらとか説得力ねぇ』





あたしと優さんを交互に睨んで見てると

肘をついて顎を手の平に乗せて大袈裟にため息をつく



悩ましげな表情の会長にまた笑いが込み上げる







あはは!!

いつもの会長だ!!


わざとらしい会長を放っておいてあたしと優さんは止まらない笑いに苦心する









沙織達がくじ棒を完成させて、喜んだとき


あたしの笑いもやっと収まってくれた





まだあたし達が大笑いしたことに拗ねているのか黙ってる会長



ここから見える横顔が慣れなくて、またドクンと胸が高鳴る


















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